2013年3月7日 Barcelona
2013年3月7日、バルセロナ — 国連大学は、バルセロナの同大学の学術研究所が今月、グローバル化を背景とした文化の多様性とモビリティ（移動）についての理解を深めることを目的とした多次元研究プログラムを開始することを発表します。
パールバティ・ナイール教授（英国）を初代所長に任命し、2012年9月17日に運営が開始されたバルセロナの国連大学研究所は、スペイン政府の資金提供を受け、カタルーニャ州政府の支援を受けています。2013年2月20日、バルセロナの国連大学研究所のスタッフは、仮設施設からサン・パウ病院史跡内にある研究所の常設の施設に移りました。
バルセロナの国連大学研究所を表すために以前まで使用されていた名称および略称 —「国連大学国際文明の同盟研究所（UNU-IIAOC）」—は、研究所の研究焦点が修正されたことに合わせて変更されます。新名称案の「国連大学グローバリゼーション・文化・モビリティ研究所（UNU-GLOCAM: UNU Institute on Globalization, Culture and Mobility）」は、研究所を所管する国連大学理事会に提出され、4月に承認される予定です。
広範なテーマのなかでも同研究所の関心領域は、具体的には、移住、メディア、異文化間の対話ならびに女性機関、モビリティ、社会文化的変化のほか、移住に関する世界的な経済危機の社会文化的影響や、無国籍および大陸横断の移住といった分野です。
グローバリゼーション、文化、モビリティに注目した研究、教育、能力育成、政策助言といった活動を実施するにあたり、バルセロナの国連大学研究所は、他の国連システムの機関ならびに世界中のすぐれた研究・教育センターと協働していきます。
「バルセロナの国連大学研究所の設立に携われることを大変光栄に思います」とパールバティ・ナイール所長は語りました。「地球規模および地域レベルにおける開発の影響と課題に対する理解を深めるためには欠かせないグローバリゼーション、文化、モビリティといった喫緊の問題に重点を置いて活動していきます」
ナイール教授は、インド人の両親を持つオスロ生まれの英国人です。国連大学に着任する前は、ロンドン大学クイーン・メアリー校のヒスパニック文化・移民研究の教授（2007～2012年）および移民研究センター所長（2009～2012年）として活躍しました。 それ以前は、クイーン・メアリー校で、ヒスパニック文化研究准教授（2006～2007年）、ヒスパニック研究上級講師（2004～2006年）、ヒスパニック研究講師（2000～2004年）を務めています。1995年から2000年には、ロンドン・ギルドホール大学でスペイン語上級講師を務めました。
同教授は、ロンドン大学ウェストフィールド・カレッジでスペイン語学士号を、ロンドン大学教育研究所で外国語・文学教育修士号を取得しました。また、ロンドン大学バークベック・カレッジで博士号（スペイン文化研究）を取得しています。
ナイール教授は、英国王立芸術協会フェロー、ロマンス語研究所と米州研究所（ロンドン大学高等研究所）のアシスタントフェロー、「OECUMENE: Citizenship After Orientalism（エキュメニズム：オリエンタリズム後の市民権）」（英国オープン・ユニバーシティを拠点とし、欧州研究会議の資金提供を受けるプロジェクト）の諮問委員会のメンバーです。著書も多岐にわたり、査読のある学術誌の編集委員を務めた経験もあります。また「CROSSINGS: Journal of Migration and Culture（クロッシングス：ジャーナル・オブ・マイグレーション・アンド・カルチャー）」の主席編集者です。
「私自身も学長に就任して間もないですが、とくに国連大学におけるナイール所長の重要な任務を支援することをうれしく思います。」と、デイビッド・マローン国連大学学長は述べています。「彼女のリーダーシップのもと、新設したバルセロナの国連大学研究所がグローバリゼーション、文化、モビリティの分野における主導的機関として、速やかにその地位を確立するものと確信しています」
バルセロナの国連大学研究所についての詳細は、ウェブサイトhttp://barcelona.unu.edu（英語）をご覧ください。
ナイール所長へのインタビューを希望される方は、以下のメディア窓口のいずれかに電話またはEメールでご連絡ください。
Tel: (03) 5467-1298, E-mail: maki@unu.edu
Tel.: (+34) 93-553-5991, E-mail: salanova@unu.edu