Sustainable Development Goal 9

産業と技術革新の基盤をつくろう

インフラ投資は社会の平等と経済的な繁栄を左右します。しかし、途上国を中心に何十億という人が、電力、トイレ、水などの基本的なサービスさえも利用できない状況にあり、経済発展の原動力となる産業・技術発展を妨げています。持続可能な資源のバリューチェーンを構築し、農産物加工などの極めて重要な部門の不足を補うには、自由闊達なイノベーションとそれを可能にする強靭なインフラ設備が必要です。

国連大学の研究は、開発における各部門の協力強化に重点を置いています。工業生産の基礎となる研究では、資源開発業界が持続可能な経済成長の中心的存在へと転換できるよう、政策オプションの提示しています。また、急速に進む都市化を気候変動によるリスク緩和へと繋げ、すべての人に安全な住居と充実したネットワーク・サービスを提供する取り組みにも、国連大学の研究が活用されています。

研究者からのメッセージ

ルイス・フェリペ・ラモス

国連大学 政策主導型電子ガバナンスに関するオペレーティング・ユニット(UNU-EGOV)
リサーチャー

「新しい技術はイノベーションを促進し、集団の安全をもたらし、包摂的な社会を推進することができる一方、適切な規制を欠いたまま利用されれば、個人のプライバシーと自由に潜在的なリスクをもたらす可能性があります。国連大学では、民間部門と公共部門による新しいテクノロジーの利用が、さまざまな法的枠組みによってどのように規制されているのかを研究しています」

Simone Sandholz

シモーネ・サンドホルツ

国連大学 環境・人間の安全保障研究所
(UNU-EHS)
アソシエイト・アカデミック・オフィサー

「電力、輸送、水道などのインフラは、自然災害に対して社会がどれほど脆弱かを決定づける上で重要な役割を果たします。また、気候変動を考慮したかたちでインフラを再考する必要があります。私の研究は、都市のレジリエンス(回復力)を高めるために、より適切で公平なインフラシステムの構築に向けた方法を評価することを目指しています」

Carlo Pietrobelli

カルロ・ピエトロベッリ

国連大学 マーストリヒト技術革新・経済社会研究所(UNU-MERIT)
教授

「産業は、持続可能な開発にとって不可欠な推進要素です。とりわけ開発途上国では、企業はより多くのイノベーションと、より強力な技術力を必要としています。私の研究は、グローバルなバリューチェーンから利益を得ようとする企業の取り組みを促進するとともに、開発途上国のイノベーションの強化を目指しています」

注目のプロジェクト

重工業以外の産業

アフリカの産業は急速な構造変化について行けず、外国からの投資は石油、ガス、鉱物に過剰に集中しています。このプロジェクトは、産業投資のグローバルパターンを決定する3つの要因である輸出・能力・産業クラスター(新事業が次々と生み出されるような事業環境)に焦点を当てています。

最小供給量コンセプトとしての重要インフラレジリエンス

人がこの社会で生きて繁栄していくためには、電気、輸送、水、医療、通信など基本的な公共サービスが必要です。しかし、これらサービスは往々にして災害発生後に被害を受け、機能しなくなる場合があります。このプロジェクトでは、防災計画策定に効果的な情報を提供することを目的とし、自然災害発生後に地域社会が存続するために必要な公共サービスとそのレベルについて特定していきます。

開発における天然資源と採取

石油やガス、鉱物などの天然資源に依存した経済成長は、貧困層までその恩恵が行き渡らないことから、途上国にとって往々にして‘恵み’ではなく‘呪い’になってしまう場合があります。このプロジェクトでは、途上国の豊かな天然資源をより良く管理・開発する方法について研究を進めています。

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