Sustainable Development Goal 4

質の高い教育をみんなに

教育は、持続可能な開発の基盤です。児童の就学率の上昇については、近年大きな進捗が見られますが、依然として5,700万人余りの子どもたちが学校に通っておらず、数百万人を超える人々が基本的な読み書きのスキルを持たないまま生活しています。ジェンダー平等に関しても、依然として途上国の女性や少女の多くは、教育を受けるために様々な困難に直面しています。

教育機関の一つとして国連大学が重視するのは、世界の開発を進展させる、公平で開かれた学習機会の創造です。「持続可能な開発のための教育(ESD)」プロジェクトでは、ESDに取り組む地方の団体を結ぶ学習ネットワークを構築し、主に高等教育の現場を対象に、SDGsの効果的な学習・実践に取り組んでいます。また、自然資源とバイオテクノロジーの研修プログラムは、途上国の専門家に充実した教育機会を提供し、帰国後、政策立案や資源管理の分野で活躍できるよう指導しています。

UN Photo/Kibae Park

研究者からのメッセージ

マティ・コンテ

国連大学 マーストリヒト技術革新・経済社会研究所(UNU-MERIT)
リサーチャー

「良い教育とは、健康、生産性、平等や民主的な価値の尊重と関連しています。しかしながら、アフリカにおける教育への投資は、その質を高めるというところまでは至っていません。私の研究では、アフリカにおけるガバナンスのどのような側面が、SDGsの目標4の達成に向けた政策や行動を決定づけるのかを調査しています」

野口 扶美子

国連大学 サステイナビリティ高等研究所
(UNU-IAS)
リサーチ・フェロー

「持続可能性(サステイナビリティ)に関する課題には多様な原因があり、解決策を見つけるには現地の実情に合った集合的な努力が必要です。地域社会が学ぶ機会を得て、自らの変容、そして社会変容のために行動を起こせるよう、地域社会のエンパワーメントに寄与したいと考えています。私の研究では、地域住民が持続可能性を目指してどのように学び、知識を創出するのかを調査し、どのようなアプローチや政策がそうした動きを手助けしているのかを調べています」

デメトリオス・サランティス

国連大学 政策主導型電子ガバナンスに関するオペレーティング・ユニット(UNU-EGOV)
ポスドク・フェロー

「政府の運営は、新しいテクノロジーの活用によって左右されます。私は研究を通して、電子政府における教育面のニーズに応えるだけでなく、地方政府が新しい技術とイノベーションを取り入れるのに役立つツールを提供しています」

注目のプロジェクト

持続可能な開発のための教育(ESD)

このプロジェクトでは、持続可能な開発を可能にする施策について、十分な知識と行動力を養うために、能力開発やリーダーシップ研修プログラムを実施しています。

バイオテクノロジーと開発

このプロジェクトは、中南米の持続可能な開発の実現に向け、バイオテクノロジーの活用拡大を目的としています。若い研究者たちが最新の技術を習得し、現在、そしてこれから直面するであろう問題を画期的な打開策によって解決できるよう、能力開発に取り組んでいます。

タンザニアでのSDGs達成に向けた研究の強化

このプロジェクトでは主にタンザニアと東アフリカ地域において、経済改革および持続可能な開発に向けた政策の立案・実施に寄与するための、共同研究の実施を目指しています。

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