Sustainable Development Goal 12

つくる責任つかう責任

 

持続可能な生産と消費とは、持続可能なインフラの構築、天然資源の効率的な利用、よりクリーンなエネルギーの生成と廃棄物の削減を意味します。消費者から経済界、科学者、政策立案者に至るまで、多岐にわたるステークホルダーが協力し、持続可能な生産と消費を達成すれば、より健全な生態系と経済、そしてより安全な暮らしが可能となります。

国連大学の研究は、製品サイクルとバリューチェーンの過程、実践およびガバナンスに重点を置いています。使用済みの電化製品などの廃棄物(E-waste)のモニタリングを世界で初めて実施し、リサイクルに携わる作業者を有害物質から守り、E-wasteに含まれる貴重な金属を再利用する枠組みの構築を呼びかけています。また、総合的な社会・生態系システムの観点から農業生産を検証する取り組みにも力を入れています。

研究者からのメッセージ

セルダル・トゥルケリ

国連大学 マーストリヒト技術革新・経済社会研究所(UNU-MERIT)
リサーチャー

「持続可能な都市と地域社会は、生活の全体的な質を改善するための基礎となります。総合的な政策研究・研修・ガバナンス環境をつくることで、これら3つの目標が、他のSDGsの達成を加速させる推進力となるようにしたいと考えています」

エーデルトラウト・ギュンター

国連大学 物質フラックス・資源統合管理研究所(UNU-FLORES)
所長

「地球上の生命に問われている決定的な問いは、環境への配慮は『良い結果をもたらすのかどうか』ではなく、『どのようにいい結果をもたらすのか』であるでしょう。さまざまな学術分野から専門家が集まることにより、未来を形成するための革新的なアイデアが生まれます。既存の製品は見直され、新しいライフスタイルが促進されるようになるでしょう」

Norichika Kanie

蟹江 憲史

国連大学 サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)
シニア・リサーチ・フェロー

「SDGsというグローバルな目標を達成するには、生産と消費の方法を変える必要があります。これには政策立案者、科学者、小売業者、消費者といった官民の協力が必要です。こうした協力関係ならびに統合的アプローチによって、生産と消費のパターンを持続可能なものへ前進させるべく研究しています」

注目のプロジェクト

国際SATOYAMAイニシアティブ

気候変動の影響に対応できるレジリエントな農業システムを構築するためには、統合された資源管理が必要不可欠です。このプロジェクトは、土地とそこに暮らす人々が共生関係にあり、繁栄のために互いに支え合う環境の創出を目的としています。

E-waste問題を解決するイニシアチブ(StEP)

電気電子廃棄物(E-waste)は、年間4700万トンも排出されており、その量の多さや処分方法などを巡って多くの問題を抱えています。このイニシアチブでは、政策変更、商品デザインの変更、再利用、リサイクルによってE-wasteの大幅削減を図っています。

生物多様性と健康

日常生活と福祉は、生物学的な多様性によって左右されます。そして生物多様性の維持には、自然環境の変化が人間にどのような影響を及ぼすのか、政策決定者が理解しておく必要があります。このプロジェクトでは、政策に関わる人たちが生物多様性と健康について理解を深めるよう支援しています。

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