Sustainable Development Goal 10

人や国の不平等をなくそう

不平等の克服は、持続可能な開発目標(SDGs)の核となる要素です。これまで、貧困の削減については大きな進展がありましたが、途上国の75%以上の世帯は、1990年代よりも所得格差が拡大した社会に暮らしています。所得水準の均衡化は、身体的障がい、ジェンダー、人種、宗教などによる様々な不平等と併せて対処しなければなりません。SDGsの達成には、先進国と途上国が対等に意見を言い、また、すべての人が可能性を最大限に発揮できるよう、平等な機会が与えられる必要があります。

国連大学では、政府や政策立案に携わる人々に、世界で所得の不平等が生じている場所、理由、程度についての情報を提供する包括的データベースを構築しています。また、移住、ジェンダー、健康に関する研究では、不平等を作り上げている社会的・政治的な動きを明らかにし、政策や社会の支援システムが、不平等をもたらす根深い問題と最新の動向に対応できるよう取り組んでいます。

研究者からのメッセージ

アイネ・リーテルト

国連大学 地域統合比較研究所(UNU-CRIS)
助教授

「移住は新しい資源を手に入れるきっかけになるため、不平等をなくすことができます。しかし、移住や移動をできるのは、そもそも自由に移動ができる人であり、その集団も階層化されているため、社会経済的不平等がさらに広がる可能性があります。私の研究では、恵まれない状況下で移住する人々の辿る道、そういう人々を弱い立場に追い込む構造上の制約と仕組み、および、そうした特定の集団への支援策について検証しています」

ミラ・ニューソラ

国連大学 世界開発経済研究所(UNU-WIDER)
リサーチ・アソシエイト

「ジェンダー平等は、すべての人が機会均等と持続可能な生活を実現するために欠かせません。私は、より適切で効果的な政策を設計するためには何が必要かについて、より深く理解できるようにしたいと考えています。すべての人に平等な権利と資格を保証し、生活上の様々な困難に対するレジリエンス(回復力)を向上する上で、政策がどのように役立つかを研究しています」

キース・ヴァン・デル・ゲースト

国連大学 環境・人間の安全保障研究所(UNU-EHS)
アカデミック・オフィサー

「気候変動による損失と損害は、将来のリスクであるだけでなく、立場の弱い人々が今まさに直面している現実でもあります。世界の多くの場所が、環境問題が原因で住めなくなっています。私の研究では、そのような場所に暮らし、故郷を追われるかもしれない人々に焦点を当てています」

注目のプロジェクト

南部アフリカ — 包摂的な経済開発に向かって

国連大学は現地パートナーとの協力のもと、南部アフリカ地域における包摂的な成長と経済改革を実現するための政策立案を支援する方法を研究しています。このプロジェクトでは、南部アフリカ経済における現在の障壁に対する解決策を提供するために、研究と政策立案のギャップの解消を目指しています。

不平等 — 測定・意味・変化

過去数十年間、各国内および各国間における不平等のモニタリングや理解、対応策に対して、世界的な関心が高まっています。このプロジェクトでは、不平等についての理解、例えばなぜ、どのようなパターンがあるのか、それがどういう意味を持ちうるのかの理解を深め、不平等への対応策に洞察を提供することを目指しています。

@EQUAL

@EQUALプロジェクトでは、不平等に関する研究を再考し、モザンビークとベトナムの研究から得た学びに着目しながら、不平等が成長、人間開発およびガバナンスに与える影響を検証しています。

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