本イベントは英語のみで行われ、日本語への通訳はございませんのでご了承ください。
国連大学はアディチャ・アディカリ氏とプラシャント・ジャー氏との対談、「Nepal in the Aftermath of the Maoist War(マオイストとの内戦後のネパール)」を開催いたします。
アディカリ氏とジャー氏はともに非常に才能豊かな若いジャーナリストであり著述家です。あまり知られていないながら地域的に重大な意味を持つネパール内戦について、両氏がそれぞれ著した最新の書籍は、どちらもエコノミストやフィナンシャル・タイムズをはじめとして、国際的に高く評価されています。
マオイストによる10年に及ぶ武力闘争が2006年にようやく終わりを迎えて以来、ネパールは戦争から平和へ、専制政治から民主政治へ、そして排他的な中央集権国家からより包摂的な連邦国家へという難しい移行に取り組んできました。世俗的な共和国の設立、マオイスト軍の解体、重要な民主政治の場の開設は、和平プロセスの顕著な成果です。しかし、深い隔たりを抱える政府、繰り返される政治危機、和平プロセスの最大の成果となるはずの包摂的な連邦憲法の制定に政党間で合意がなされないことから、安定と経済成長への道のりは依然として不明瞭です。新憲法の制定という和平プロセスでの約束が果たされないのはなぜなのでしょうか。
アディチャ・アディカリ氏とプラシャント・ジャー氏は、デイビッド・マローン国連大学学長とともに、10年に及ぶ政府とマオイスト反政府勢力との紛争の終結に続く、民主主義と正義、安定を求めるネパールの取り組みについて、重点的に話し合います。対談では、反乱軍から政党へのマオイストの転換、アイデンティティ政治の高まり、国民の熱望に応えるはずの新憲法をめぐる対立、地域の主体や国際機関の役割にかかわる難題を明らかにします。また、紛争が終結してからこれまでにネパールで実現した成果と、まだ達成されていない目標について検証します。
国連大学対談シリーズは、ご参加の皆さまとの交流の促進を目的としています。すべての参加者は、対談中、また対談後のレセプションにおいて、講演者 に直接質問することができます。また、対談後に提供される飲みものとビュッフェ形式の軽食をとりながら、意見交換や新たな人脈作りの機会としてお役立てく ださい。
入場は無料ですが、事前登録が必要です(3月22日(日)締め切り)。
参加のご登録は、左上のご登録ボタンからお願いいたします。
アディチャ・アディカリ氏はジャーナリストであり、政治アナリストでもあります。現在は拠点とするネパールで、国連政治局連絡事務所の政治コンサルタントを務めています。2008年からカトマンズ・ポストに勤務しており、論説編集者(2008年から2010年)に続いて、寄稿編集者・コラムニスト(2010年から現在)を務めています。2007年から2008年にかけて、カトマンズのカーター・センターで政治アナリストとして勤務しました。同氏が近著The Bullet and the Ballot Box: The Story of Nepal’s Maoist Revolution(弾丸と投票箱:ネパールでのマオイスト革命の顛末)で報告しているのは、ネパールでの10年に及ぶ革命的動乱の一部始終、すなわち共産主義イデオロギーが21世紀においてどのように再解釈されて、政治的行為に変わっていったのかについてのケーススタディです。アディカリ氏はロンドン大学東洋アフリカ研究所の国家・社会・開発(政治学)の修士号を取得しています。
プラシャント・ジャー氏はニューデリーに拠点を置くジャーナリストであり著述家です。昨年出版されたBattles of The New Republic: A Contemporary History of Nepal(新共和国の闘争:ネパール現代史)は、ジャー氏の出身国、ネパールでの戦争と平和について、同氏ならではの詳細な報告を記したものです。ジャー氏は現在、ヒンダスタン・タイムズの共同編集者として、インドの政治問題と外交政策を担当しています。また、コラムニストとしてネパールの政治的変遷について幅広く執筆してきました。ザ・ヒンドゥのネパール通信員、ヒマル・サウスアジアン誌の寄稿編集者のほか、一時期、国際危機グループのアナリストを務めたこともあります。デリーのジャワハルラル・ネルー大学大学院の国際政治修士号を取得しています。
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国連大学 レセプションホール 2階