白波瀬佐和子氏は、東京大学大学院農学生命科学研究科の特任教授です。白波瀬教授は、1997年にオックスフォード大学で社会学の博士号を取得後、2006年に東京大学に助教授として着任、2010年に社会学部の教授に就任しました。2018年には東京大学の副学長、2019年から2021年までは同大学の理事・副学長(国際、総長ビジョン広報)を歴任しました。白波瀬教授は国際学術会議(ISC:International Science Council)で財務担当の副会長を務めており、また、ジェンダーの専門家として、G7の首脳に対してジェンダー平等に関する提言を行うジェンダー平等アドバイザリー評議会(GEAC)の議長を務めました。
白波瀬教授は、社会階層および人口社会学、所得と富の不平等、家族および社会保障制度などを国際比較の視点も交え研究しています。同教授は、大規模研究プロジェクトを研究代表者として実施してきました。そこには、「少子高齢社会の階層格差の解明と公共性の構築に関する総合的実証研究」(基盤研究S、2008~2012年)や、「少子高齢化からみる階層構造の変容と格差生成メカニズムに関する総合的研究」(特別推進研究、2013~2017年)、(3) 「少子高齢社会における階層構造メカニズムに関する実証研究」(基盤研究A、2018~2020年)、などが含まれています。
白波瀬教授は、それらの成果を書籍や学術論文として英語・日本語によって発表しており、代表的には次のようなものがあります。『少子高齢社会の階層構造1~3』(監修・編集)(2021年、東京大学出版会)、『東大塾 これからの日本の人口と社会』(編集)(2019年、東京大学出版会)、『Social Inequality in Japan(日本の社会的不平等)』(2014年、Routledge)、『Demographic Change and Inequality in Japan(日本における人口動態の変化と不平等)』(編集)(2011年、Trans Pacific Press)、「Social Stratification Theory and Population Aging Reconsidered(社会階層論と人口高齢化の再考)」(2021年、Social Science Japan Journal 24: 277-288)、「Income inequality among older people in rapidly aging Japan(急速に高齢化する日本における高齢者の所得格差)」(2014年、Research in Social Stratification and Mobility41:1-15)。
白波瀬教授は、国際学術会議の科学研究における自由と責任に関する委員会(CFRS)の委員、国際社会学会の財務担当副会長(2018~2022年)および日本家族社会学会の理事を務めた経験を有します。