国連大学とは

概要
使命とビジョン
学長
副学長
  • 国連大学 (UNU) —国連の学術機関として、特に開発途上国支援を目的とした持続可能な開発の分野で、さまざまな研究・教育プログラムを展開しています。

    国連大学は「国連憲章の諸目的および原則を推進するための研究、大学院教育研修、知識の普及に携わる学者の国際コミュニティ」として、1972年に国連総会によってその設立が認められ、1973年に国連大学憲章が正式に採択されました。本部は東京にあり、世界各地の研究所やプログラムを調整しながら活動を行なっています。国連大学は、世界レベルの研究、教育、および能力育成を行う機関として、平和、開発およびサステイナビリティにおいて世界的なリーダーシップを発揮したいと願っています。国連システムのシンクタンクとしての機能を果たしているほか、国連と国際的な学界および政策立案コミュニティとの橋渡し役となっています。

    国連大学は世界の諸問題に対して持続可能な解決策を見いだすために、相互に関係する5つの分野で体系的なアプローチを採用しています。

    • 平和、安全保障、人権
    • 人間および社会・経済の開発とグッド・ガバナンス(正しい統治)
    • グローバルヘルス、人口、持続可能な生活
    • 地球変動と持続可能な開発
    • 科学、技術、イノベーション、社会

    開発途上国および移行段階国の能力を育成し、南北の研究・教育交流を促進するために、国連大学では「ツイン研究所」体制となるようイニシアチブを立ち上げ、国連大学の研究所が先進国と開発途上国に1つずつ(例外的にそれ以上のこともある)研究所を持つことになります。

    国連大学は、対話の場や、厳密な研究手法に基づいた創造的な発想を生み出す場を提供しながら、持続可能な開発に関する世界の多様な知識を伝える役割を果たしています。

  • 使命

    国連大学の使命は、人類の生存、開発、福祉など、国連とその加盟国が関心を寄せる、緊急性の高い地球規模の諸問題の解決に取り組むため、共同研究、教育、能力育成、政策提言を通じて寄与することです。その際に国連大学は、社会科学と人文科学だけでなく、自然科学にも細心の注意を払っています。

    この使命を追求するにあたって、国連大学はさまざまな役割を果たしています。

    • 知識ベースの政策アドバイスを提供することで、国連および加盟国のシンクタンクの役割を果たす。
    • 国連と国際的な学術界の橋渡しをする。
    • 地球規模から地域単位までさまざまな対話を促進し、新しいアイデアを発想する場を提供する。
    • 特に開発途上国の能力育成に寄与する。

    ビジョン

    国連大学は、世界レベルの研究、教育、および能力育成を行う機関として、平和、開発およびサステイナビリティにおいて世界的なリーダーシップを発揮したいと願っています。

    国連大学は国境の枠にとらわれない世界レベルの研究・指導・能力育成機関として、現在および将来の世代の安全と健康と自由、さらに快適な生活の実現に貢献したいと考えています。先進国と開発途上国の協働に重点を置きながら、平和、開発、サステイナビリティ(統治、男女平等、貧困解消、グローバルヘルス、気候変動、自然資源、エネルギー、最新技術を含む)といった分野でグローバルな指導力を発揮し、国連および加盟国に最新の研究成果と蓄積した知識を提供するよう努めています。

    国連大学は国際的な高等教育・研究機関として以下のようなテーマを扱っています。

    • 厳正な科学的方法や手段の厳守
    • 質の高いサービスとデータの提供の重視
    • サステイナビリティに影響を与える問題に焦点
    • 学問の自由と自治に結びついた高い倫理基準(そして、それにふさわしい説明責任)
    • 知的活力と、協力、同僚、共同体の精神
    • 機会、活動、データへの平等かつ開かれたアクセス
    • 男女機会均等の原則の厳守と女性の参加の促進
    • 大学自身の運営における社会的責任と環境のサステイナビリティ
  • Photograph of Dr. David M. Malone - Rector, United Nations Universityデイビッド・マローン博士は、2013年3月1日、第6代国際連合大学学長および国際連合事務次長に就任しました。任期は2018年までの5年です。

    カナダ出身のマローン学長は、モントリオール商科大学から経営学士号、アメリカン大学(カイロ)からアラビア語修了証書、ハーバード大学ケネディ行政大学院から 行政学修士号 、オックスフォード大学から国際関係の博士号を取得しています。

    国連大学に就任する以前は、開発途上国における政策関連の研究支援、資金提供を行なう機関であるカナダ国際開発研究センターの総裁を務めました(2008~2013年)。

    マローン博士は、カナダ国際開発研究センター以前は、国連経済社会理事会のカナダ代表、国連のカナダ大使および代表部次席代表を歴任しました(1990~1994年)。さらに、カナダ外務・国際貿易省(DFAIT)の政策、国際機関、地球規模問題局局長(1994~1998年)、ニューヨークの独立した研究・政策開発機関である国際平和アカデミー(現国際平和研究所)の所長(1998~2004年)、 カナダ外務・国際貿易省次官補(地球規模問題担当)(2004~2006年)、カナダの駐インド高等弁務官、ブータンおよびネパールの非常駐大使 (2006~2008年)を務めました。

    同博士はまた、ブルッキングス研究所の経済研究プログラム、トロント大学マッセイカレッジ、カールトン大学ノーマン・パターソン国際問題研究所の研究ポストに就き、コロンビア大学の客員研究員および非常勤教授、ニューヨーク大学ロースクールの非常勤教授も務めています。

    マローン博士は、平和と安全保障問題に関して幅広く論文等を発表しています。近著に、 『Nepal in Transition: From People’s War to Fragile Peace(転換期のネパール:人民戦争から脆弱な平和へ)』(共編、2012年、ケンブリッジ大学出版局) や 『Does the Elephant Dance? Contemporary Indian Foreign Policy (ゾウは踊るか?インドの現代外交政策)』(2011年、オックスフォード出版局)などがあります。

  • 上級副学長 武内和彦(東京)

    Senior Vice Rector Takeuchi

    武内和彦教授は、現在、国連大学上級副学長と国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)所長を併任しています。また、2013年1月1日に国際連合事務次長補に任命されました。

    専門は、緑地環境学、地域生態学、地球持続学であり、人と自然の望ましい関係の再構築を目指して、アジア・アフリカを主対象に研究教育活動を展開しています。最近では、持続型社会の構築を目指す俯瞰的な科学としての地球持続学(サステイナビリティ学)の世界的な拠点形成に向けて奔走しています。また、日本の里地里山の再生を目指すとともに、伝統的な土地利用の再構築に向けた世界の多様な取り組みとの連携を目指すSATOYAMAイニシアティブにも深く関与しています。

    1974年東京大学理学部地理学科卒業、1976年同大学院農学系研究科修士課程修了。東京都立大学助手、東京大学農学部助教授、同アジア生物資源環境研 究センター教授を経て、1997年より同大学院農学生命科学研究科教授。2005年より東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)副機構長、 2008年より国際連合大学副学長、2009年より同サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)所長を併任。2012年より東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)機構長・教授、2013年より国連大学上級副学長。国際学術誌 Sustainability Science (Springer) 編集委員長、中央環境審議会会長、食料・農業・農村政策審議会会長代理などを兼任。

    最近の著作には、「地球持続学のすすめ」(岩波ジュニア新書、2007年)、「生態系と自然共生社会」(共編著、東京大学出版会、2010年)、「Satoyama Satoumi Ecosystem and Human Well-Being」(共編著、UNU Press、2013年)などがあります。

    副学長 ゴヴィンダン・パライル(東京)

    Vice Rector Parayil

    2008年8月に国連大学の副学長に就任したゴヴィンダン・パライル教授は、2009年1 月、国連大学高等研究所の所長に就任し、現在UNU副学長とUNU-IAS所長を兼任しています。パライル教授は、2004年からオスロ大学(ノルウェー)の技術・革新・文化センターにて、科学・技術・革新そして持続可能性を専門に、正教授を務め、2005年から2007年には研究室長および革新グループのリーダーを務めました。

    これに先立ち、シンガポール国立大学の情報通信マネジメントプログラムの代表および准教授(2001年~2004年)を、そして香港科技大学では科学・技術・社会学科の准教授(1994年~2001年)を務めました。その他にも、コーネル大学(米)、イリノイ工科大学 (米)、レンセラー工科大学(米)、そしてスライマニヤ大学(イラク)などで教鞭をとってきました。

    カリカット大学(インド)の学士号(電子工学)、レンセラー工科大学(米)の修士号(科学・技術・価値)、アメリカン大学(米)の修士号(経済開 発)、バージニア工科大学(米)で博士号(科学技術)を取得しています。最近、執筆、編集に携わった出版物には、『Conceptualizing Technological Change』(1999年)、『Kerala: The Development Experience』(2000年)、『Political Economy and Information Capitalism in India』(2006年)などがあります。その他著書および国際的な学術誌への論文発表も多数あり、また新著『The New Asian Innovation Dynamics: China and India in Perspective 』(A.P. D’Costaとの共著)は、2009年1月に出版されました。現在、持続的な社会のための科学技術革新に関する研究および支援活動を積極的に行っていま す。

    副学長 ヤコブ・リーナー (ドイツ、ボン)

    Vice Rector Jakob Rhyner

    2010年11月、国連大学欧州副学長および国連大学環境・人間安全保障研究所所長に就任。チューリヒにあるスイス連邦工科大学(ETH)で理論物理学の博士号を取得。スイス自然災害専門家グループ(2001年より)、スイス物理学協会(1986年より)、欧州委員会研究プロジェクト評価委員会(2006年より)など各種専門組織・委員会に所属しています。

    旧ソ連時代の1986年、モスクワにあるランダウ理論物理学研究所に招聘されたほか、マサチューセッツ工科大学客員研究員(1990~91年)、スウェーデンのアリングスオースにあるABB Kabeldonの科学顧問(1996~97年)も務めました。

    国連大学の活動への参加以前は、スイスのダヴォスにあるスイス連邦森林・雪・景観研究所(WSL)付属の雪・雪崩研究所(SLF)の所長、およびSLFの警戒・予防研究ユニットの責任者を務め、WSL理事会にも名を連ねていました。WSL/SLFでは2001年より自然災害からの安全確保の分野で研究に取り組んでいます。